
ブローネマルクによりオッセオインテグレーションの概念が確立された当初、インプラントは下顎のオトガイ孔間にボーンアンカードブリッジとして施術、機能されました。
また、初期の埋入術式においては下顎骨に限定され上顎骨に埋入されることはほとんどありませんでした。
それは上顎骨特有の脆弱な骨質と上顎洞の存在による垂直骨量の不足によるものであったことは、周知の事実です。
現在GBRの概念のもと、それより派生した種々なる造骨法により画期的に適用範囲は拡大しました。
この度IAI研究会において演者が発表した4例は、2004年4月より施術しているAQB1ピースインプラントによる上顎洞直下垂直骨量1〜3ミリの欠損部分へサイナスリフト1回法同時埋入であるsimultaneous approachにより施術した4症例を報告しました。現在すべて順調に経過し4症例ともに補綴処置を終え機能回復しています。
これらの症例は、ご清聴頂いた先生方から少々冒険的過ぎる試みであるとのご批判を頂いたようでした。
しかしながら、現在これらの症例のすべてに機能回復がなされ、また最初に行われた施術症例は機能回復が行われてすでに1年以上が過ぎ、順調に経過していることを考えれば、それらの結果とサバイバルレートからして冒険と思われるほどの術式ではないことが確信できます。
それではなぜ冒険的と思われるこれら症例のすべてが機能回復が行われるまでに成功したかというと、それは少々の症例選択と患者への徹底した注意事項の喚起、そして厳重なメインテナンスにあったと思われます。





















日常の臨床における無歯顎症例の補綴方法として通常、総義歯、又はインプラントと磁性アタッチメントを併用した義歯といった方法が考えられます。
もし義歯以外でとの要望があった場合、全顎にインプラントを植立するという方法も考えられるが、症例は少ないと思われます。その理由として多大な費用、治療期間、植立方法、待機期間の咬合問題、また咬合関係をどうするか、等々の様々な問題があり、患者さん、また術者の側も大変だからでしょう
。
今回、患者さんからのインプラント植立への強い希望があり、AQB1ピース1回法インプラントを全顎に植立、上部構造装着までの期間、義歯を使用しながら不自由な期間を最小限に押さえ、良好な結果を得ることができたので、工夫した点を交えて紹介しました。
当時AQBの2ピースインプラント発売直後で選択を非常に迷いましたが、、いずれの症例も、経験の多い1ピース1回法インプラントで問題ないと判断し施術しました。結果は予想どおり1回法のメリットを最大限生かすことができ、早期に確実に、そして患者さんの肉体的な負担と術者の精神的なストレスを最小限に植立できたものと思います。


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